お仕事ノート
在留資格申請の基礎知識 ー 認定・変更・更新・永住の違いと流れ
この記事の対象となる方:初めて外国人材を採用する企業のご担当者様、初めて在留資格の手続きをするご本人・ご家族の方
はじめに
「外国人を採用したいが、何の手続きが必要なのか分からない」「更新と変更はどう違うのか」「永住を目指すには何が必要なのか」——外国人の方の手続きについて、最初に必ずつまずくのがこの「手続きの種類の多さ」です。
外国人の方が日本で暮らし、働き、将来の生活基盤を整えるための在留資格の手続きには、大きく分けて認定・変更・更新・永住の4つの入り口があります。どの手続きに当たるかを取り違えると、準備した書類が無駄になるだけでなく、在留期限に間に合わないという重大な事態にもつながります。
この記事では、行政書士の立場から、4つの手続きの違いと流れを一枚の地図として整理します。
1. まず押さえたい基本 ー 「在留資格」と「ビザ」は別物です
実務では混同されがちですが、正確には次の2つは別の制度です。
・在留資格:外国人が日本に在留して活動するための法的な資格。出入国在留管理局(入管)が審査します。「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「経営・管理」「日本人の配偶者等」など、就労系・身分系あわせて約30種類があります。
・ビザ(査証):海外にある日本大使館・領事館が発給する、入国のために必要となる書類。主に海外から新規に入国する場面で登場します。なお、査証があっても入国が保証されるわけではなく、来日時に空港等で上陸審査を受けます。
一般に「就労ビザ」「配偶者ビザ」と呼ばれているものの実体は在留資格です。この記事でも、以下は在留資格の手続きとして説明します。
2. 4つの手続きの全体像(早見表)
| 手続き | こんなときに使う | 申請先 |
|---|---|---|
| ①在留資格認定証明書交付申請(認定) | 海外にいる外国人を日本に呼び寄せる | 出入国在留管理局 |
| ②在留資格変更許可申請(変更) | 留学生を採用するなど、日本での活動内容が変わる | 出入国在留管理局 |
| ③在留期間更新許可申請(更新) | 今の活動を続けたまま、在留期限を延長する | 出入国在留管理局 |
| ④永住許可申請 | 在留期限のない「永住者」の資格を取得する | 出入国在留管理局 |
※法定手数料(入管に納める手数料)や審査期間は、手続き・案件・時期により異なり、改定されることもあります。最新の情報は公式ページでご確認ください。
当事務所へご依頼いただく場合の報酬額は、料金表ページで手続きごとに公開しています。
3. ①在留資格認定証明書交付申請(認定)ー 海外から呼び寄せる手続き
海外にいる外国人を日本に呼び寄せるときの手続きです。海外の大学卒業者を採用する、海外拠点の社員を日本に転勤させる、海外に住む配偶者を呼ぶ、といった場面で使います。
入管の審査を通ると「在留資格認定証明書(COE)」が交付されます。これは、日本で予定している活動が在留資格に該当することなど、上陸のための条件に適合していることを入管があらかじめ確認した証明書です(ただし、査証の発給や日本への入国を保証するものではありません)。これを使って現地の日本大使館・領事館で査証(ビザ)の発給を受け、来日する流れです。
手続きの流れ
1. 受入企業(または日本側の親族等)が書類を準備し、日本の入管へ申請
2. 審査を経て在留資格認定証明書が交付される(郵送のほか、電子メールでの受領も可能です)
3. 証明書(またはその電子データ)を海外の本人へ送り、現地の日本大使館・領事館で査証を申請
4. 査証発給後、来日し、空港等で上陸審査を受ける。中長期在留者に当たる場合、主要空港では上陸時に在留カードが交付されます(その他の空港等から入国した場合は、住居地の届出後に郵送されます)
ポイント
・ 審査の中心は「予定している活動が在留資格の要件に当てはまるか」です。「技術・人文知識・国際業務」などの就労系では、学歴・職歴と職務内容の関連性、雇用契約の内容、受入企業の事業内容・安定性などが審査されます。
・ 認定証明書には有効期限があるため、交付後は期限内に査証申請・入国まで進める必要があります。入社時期から逆算したスケジュール設計が重要です。
・ 審査期間の目安や必要書類の最新情報は入管庁の公式ページで確認できます。
4. ②在留資格変更許可申請(変更)ー 日本での活動内容が変わるとき
すでに日本に在留している外国人の活動内容が変わるときの手続きです。典型例は、留学生を卒業後に採用するケース(「留学」→「技術・人文知識・国際業務」など)です。ほかに、転職により新しい職務が現在の在留資格では行えず、別の在留資格に該当することになる場合や、結婚により身分系の在留資格へ切り替える場合などもこれに当たります。
ポイント
・ 留学生の採用では、卒業見込みの段階から申請できる場合があります。4月入社予定であれば、例年、年末頃から受付が始まるため、管轄の入管の案内を確認して早めに準備しておくと安心です。
・ 審査は「新しい活動が在留資格の要件を満たすか」を新規に見るものなので、認定と同水準の立証(学歴・職務内容の関連性、雇用条件など)が必要です。
・ 変更が許可されるまでは、新しい活動(就労など)を始めることはできません。フライングは本人・企業の双方にリスクがあります。
・ 必要書類・審査期間の目安の最新情報は入管庁の公式ページで確認できます。
5. ③在留期間更新許可申請(更新)ー 期限を延ばす手続き
今の在留資格のまま活動を続ける場合に、在留期限を延長する手続きです。在留期間満了日のおおむね3か月前から申請できます。
件数としては最も多い手続きですが、「更新だから形式的な手続き」と考えるのは危険です。とくに注意が必要なのは転職している場合です。
| 状況 | 審査の実質 |
|---|---|
| 転職なし(同じ勤務先・同じ業務) | これまでの在留状況(納税・届出など)の確認が中心 |
| 転職あり・職務内容も変わった | 新しい勤務先・職務内容について、新規申請に近い水準の審査 |
ポイント
・ 転職した場合は、更新のタイミングを待たずに「就労資格証明書交付申請」で、新しい職務が現在の在留資格の範囲内であることを先に確認しておく方法があります。次回の更新を保証するものではありませんが、更新時のリスクを下げるのに有効なため、当事務所でもおすすめしている手続きです。
・ 期限までに申請すれば、審査が満了日をまたいでも、結果が出るまで、または満了日から2か月が経過するまでのいずれか早い時までは適法に在留できる特例があります。ただし、ぎりぎりの申請は避け、余裕をもって準備するのが原則です。
・ 住民税や社会保険料の未納・納付遅れは、更新審査に影響することがあります。日頃からの管理が重要です。
・ 必要書類・審査期間の目安の最新情報は入管庁の公式ページで確認できます。
6. ④永住許可申請 ー 期限のない在留資格へ
「永住者」は、在留期限がなく、就労にも制限がない在留資格です。更新の手間や転職の制約から解放されるため、日本での生活基盤が固まった方の多くが目指す手続きです。そのぶん、4つの手続きの中でも審査は厳格で、審査期間も長期に及びます。
主な要件(一般的なケース)
・ 引き続き10年以上日本に在留し、うち就労資格等で5年以上在留していること
・ 素行が善良であること
・ 独立した生計を営める資産・技能があること
・ 税金・年金・健康保険料をきちんと納めていること(納付の時期まで確認されます)
・ 現在の在留資格について、原則として最長の在留期間をもって在住していること
在留年数の特例
- 日本人・永住者の配偶者:実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留
- 「定住者」の方:定住者となってから引き続き5年以上在留
- 高度専門職ポイント制で70点以上:3年(80点以上:1年)の在留で申請可能
※要件・特例の詳細は、入管庁が公表する永住許可に関するガイドラインでご確認ください。
ポイント
・ 申請にあたっては、身元保証人による身元保証書の提出が必要です(身元保証人には、通常、日本に居住する日本人・永住者・特別永住者の方になっていただきます)。
・ 永住審査では、過去数年分の納税・納付状況を資料で立証します。1回の納付遅れが不許可理由になることもあり、申請のタイミングの見極めが結果を大きく左右します。
・ 不許可となっても在留資格を失うわけではありませんが、審査期間が長いため、やり直しのコストは小さくありません。事前の要件チェックが特に重要な手続きです。
・ 申請書類・審査期間の目安の最新情報は入管庁の公式ページで確認できます。
7. 自分で申請できる?専門家に依頼すべきケース
在留資格の申請書類は、ご本人や受入企業が自ら作成することも可能です。ただし、入管へ申請書類を提出できる人は手続きごとに決まっており、変更・更新などはご本人の出頭が原則です(受入企業の職員が本人に代わって提出するには、申請等取次者としての承認などが必要となることがあります)。その上で、次のようなケースは専門家への依頼をおすすめします。
・ 過去に不許可歴がある、または在留状況に不安要素(納付遅れ・届出漏れなど)がある
・ 転職を挟んだ更新や、職務内容と学歴の関連性の説明が難しい案件
・ 「経営・管理」など、事業計画等の立証量が多い在留資格
・ 永住など、数年分の資料を体系的に揃える必要がある手続き
・ 入社日・在留期限まで時間がなく、やり直しが許されない案件
なお、他人の依頼を受け、報酬を得て在留資格申請書類の作成を業として行えるのは、行政書士・行政書士法人(および弁護士など法律に定めのある者)に限られます。2026年施行の改正行政書士法でこの点はより明確になりました(外国人ご本人がご自身の書類を作成することや、受入企業が自社の従業員に関する書類を自社で作成することまで禁止されるものではありません)。企業のご担当者様・支援機関のご担当者様は、あわせてこちらの解説記事をご覧ください。
8. 当事務所の料金とご依頼の流れ
赤崎行政書士事務所(広島県府中市)では、福山市・府中市をはじめとする備後圏域の企業様・個人の方の在留資格手続をお受けしています。手続きごとの報酬額は料金表ページで公開しています。
ご依頼の流れ
1. 初回相談(1時間5,000円〜10,000円・税抜。ご依頼に至った場合は報酬額から差し引きます)
2. 要件の確認とお見積り
3. ご契約・お支払い(当事務所の入管業務は**前金制**です)
4. 書類の作成・立証資料の収集サポート
5. 申請・審査対応・結果のご報告
当事務所の特徴
・ 在留資格の申請業務は、不許可の場合、原則として報酬全額を返金しています(入管等への法定費用・実費、虚偽申告・必要書類の不提供・自己都合による取下げ等の場合を除きます)。前金制とあわせて、費用の見通しが立てやすい仕組みです。
・ 現在は、書類作成・チェックを中心とした標準コースをご提供しています(入管窓口へはお客様ご自身にお出向きいただく分、料金を抑えたプランです)。
よくあるご質問
Q. 就労する本人の家族も呼び寄せられますか?
A. 多くの就労系在留資格では、配偶者とお子様について「家族滞在」の在留資格で呼び寄せが可能です。ただし、「技能実習」「特定技能1号」など、家族滞在による呼び寄せが原則認められない在留資格もあります。ご本人の認定・変更とあわせてのお手続きも承ります。
Q. 在留期限が近いのですが、間に合いますか?
A. 更新は満了日のおおむね3か月前から申請できます。期限までに申請すれば結果が出るまで在留できる特例もありますが、書類準備の期間を考えると、期限の2〜3か月前のご相談をおすすめします。
Q. 帰化(日本国籍の取得)を考えているのですが?
A. 帰化は、在留資格の手続きとは異なり、日本国籍そのものを取得する手続きで、申請先も入管ではなく住所地を管轄する法務局です。2026年4月から審査の運用が厳格化されており(一般的なケースでは、法律上の住所条件である5年に加えて、原則10年以上の在留が求められる等)、詳しい要件は法務省の案内や管轄の法務局でご確認ください。永住とどちらを目指すか迷われている段階でのご相談も承ります。
Q. 不許可になった場合、費用はどうなりますか?
A. 当事務所の在留資格の申請業務では、不許可の場合は原則として報酬全額を返金しています(法定費用・実費、虚偽申告・必要書類の不提供・自己都合による取下げ等の場合を除きます)。
在留資格のご相談はこちら
赤崎行政書士事務所(広島県府中市)
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